働き方と雇用、男女賃金格差の現実

女性問題






働き方と雇用、男女賃金格差の現実 ― 同じ仕事でも、なぜ女性は安くなるのか



💼 働き方と雇用、男女賃金格差の現実

―「同じ仕事でも、なぜ女性は安くなるのか」―

1. 男女賃金格差 ― いまだに「男性100に対して女性76」

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(2024年)」によると、男女の平均賃金格差は以下の通りです。

区分 男性平均(月) 女性平均(月) 女性賃金比率
全体平均 33.2万円 25.2万円 76%
正規雇用 36.8万円 29.3万円 79%
非正規雇用 21.6万円 15.8万円 73%
年代別の男女の月収を示す棒グラフ(概算)。20代から50代まで男性が女性を上回る傾向。
図1:年代別の男女月収(概算・可視化用)。年齢が上がるほど賃金差が拡大。

OECD諸国の中でも日本の男女賃金格差は依然としてワースト6位。特に40代以降で差が拡大します。

2. 女性が低賃金になりやすい“構造的な理由”

① 非正規雇用への集中

女性労働者の約55%が非正規雇用で働いており、時給水準が低くなりがちです。

正規・非正規の男女月収(概算)。非正規では男女とも賃金が低いが、女性がさらに低い傾向。
図2:雇用形態別の男女月収(概算・可視化用)。非正規雇用に女性が集中しやすい。

② 出産・育児によるキャリア中断

出産を機に一時退職、再就職時に非正規に戻るケースが多く、昇進・昇給が止まる。

③ 管理職登用の遅れ

日本の女性管理職比率はわずか15.5%。欧州主要国の半分以下に留まります。

日本・英国・フランス・米国の女性管理職比率の比較(概算)。日本は最低水準。
図3:女性管理職比率の国際比較(概算・可視化用)。日本は昇進の壁が厚い。

3. 同一労働・同一賃金の実態は?

法制上は導入されたものの、現場では「職務等級」「勤続年数」「役職差」で格差が維持されています。女性が多い職種(事務・販売・ケア)は業界全体で低賃金設定です。

4. 国際比較 ― 日本の遅れは「文化」か「制度」か

OECD平均の男女賃金格差は約12%。日本は23%で先進国の中でも高い水準にあります。

日本、米国、ドイツ、フランス、OECD平均の男女賃金格差を示す棒グラフ(概算)。
図4:国際比較:男女賃金格差(概算・可視化用)。日本は高止まり状態。

文化的には「長時間労働=成果」「家庭=女性の責任」という価値観が依然根強く、男性の家庭参加が難しい環境も背景にあります。

5. 今後の課題と方向性

  • 正規雇用への転換支援: 非正規から正社員化を促す訓練・補助制度を拡充
  • キャリア中断からの再出発: 復職支援や資格取得支援を強化
  • 企業の賃金開示義務: 男女賃金差を年次報告とし、透明化を推進

6. 結論 ― 「働き方改革」の最後の壁はジェンダー

制度改革だけでは不十分であり、「家庭も仕事も女性が背負う」文化の是正が必要です。ジェンダー平等は女性のためだけでなく、社会全体の生産性を上げる基盤でもあります。


出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査2024」、総務省「労働力調査」、OECD、ILO統計を基に編集。



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